高校時代の修学旅行で京都に行った際、北山杉を見に行ったんです。その北山杉の林が、どの立木もきれいに枝打ちされ、間伐もきちんとされていました。一本一本まっすぐ伸びている幹が本当にビックリするくらい見事で、そのときですね、林業という仕事に興味を持ったのは。高校を卒業するにあたって、林業に就こうと決めたわけですが、家族も勧めてくれたし、応援もしてくれました。とてもありがたかったです。友人たちはとても驚いていましたけど。
まだ経験が浅いこともあると思いますが、まず自分がした作業――苗木を植えたり、草を刈ったりといったことですけど、その作業の跡を見るのが好きなんです。自己満足かな?でも林業って、結果が見えてくるのって5、60年かかったりするので、先のことを考えて作業することが求められる仕事でもあります。未来を想いながら日々作業することにやりがいを感じますし、実際に50年くらい後に自分で植えた木を伐採するのが夢なんです。
チェーンソーや刈払機で作業することが多いので、いろいろと気を使います。実際、刈払機を使って作業をしているときに足場が悪くて足を取られてしまったことがありました。日頃から安全面に気を配り、危険防止に努めていても、そういうことも起こったりするので、本当に細心の注意を払う必要があります。それに自分の身を守っていればよいというものでもありません。私、枝払いの作業中にチェーンソーを壊してしまったことがあります。機械も守らないと。
もちろん好きな仕事だから言えることなんですけど、四季の変化を肌で感じながら作業できるのが喜びです。体力もついてきましたし。早起きも苦手だったのですが、今ではすっかり早寝早起きの生活です。仕事の後も趣味のミニバレーや書道に熱中したり、プライベートも充実しています。職場の人にも恵まれているし、いいことずくめですよ。
書かれたものを読んだり、人の話を聞いたり、情報を入手するってとても大切です。でも、私がおすすめしたいのは、山に入って実際の現場に行き、そこでの作業を自分の目で見てみること。やっぱり全然違うと思いますよ。ぜひ、山に来てみてくださいね。